Uber Eatsを財務で考えてみた②

大阪市都島区のBizBloom(ビズブルーム)経営会計事務所の税理士室田です。
前回のお話はこちら

どう考えるのか?

前回、「うちは材料費と人件費がそれぞれ30%で、家賃が5%だからもし35%も取られたら利益が出ないよ」というのが
残念な答えだとお伝えしましたが、何故残念なのかといえば、飲食店にとっての変動費は材料費であって、
人件費や家賃は変動費ではないので、極端な話0円であろうとかかってくる費用なのです。

少し具体的に考えてみましょう。
Uber Eats加入の条件は、
1.初期費用として5万円
2.Uber Eats経由での売上に対し、売上の35%
と前回書きましたが、1.の初期費用は売上が上がろうと上がるまいと発生する費用なので固定費。
2.については、売上に応じて発生する費用なので変動費となります。
仮に、客単価が1,000円のお店だとすると、変動費は材料費30%300円とUber Eats手数料35%350円の合計650円が
変動費となり、1,000円から650円を引いた350円が、変動費を引いた利益になります。
これと固定費を比べてその金額の方が大きければ、利益が出ることになります。
つまり、今回の場合ですと50,000円÷350円で143回注文が来ればUber Eatsを入れたモトを取れたことになる。
得意のグラフ(笑)で書くとこんな感じです。
赤の線が売上、青の線が費用(変動費と固定費の合計)で、その差が利益になります。
赤の線と青の線が交わるところが上で説明している143回になっています。

ちなみに、細かい話をすると、デリバリーに伴う容器代も発生すると思いますが、そこまで金額は
大きくなく、かつUber Eats用メニュー価格で容器代を含めた料金を設定することも考えられるので
考慮していません。

ホテルの料金

飲食店の例に限らず日常生活の様々なところでこの変動費と固定費の考えは取り入れられている。
最も分かりやすい例を挙げると、ホテルの料金があると思います。
一般的にホテルの宿泊料金は、月曜日~木曜日の平日は安いですが、週末は高いという料金設定が
されていると思います。
実際に、大阪のラグジュアリーホテルの代表ともいえるリッツカールトンのSuperior Guest 1 King bed
の部屋の料金を比較すると、2020年10月17日(土)は49,500円なのに対し、10月21日(水)は
38,700円と、1万円以上値段に差がついてます。
素人目線ですが、ホテルを経営するうえでの費用を考えると、
・変動費・・・シャンプーなどのアメニティ、(外部に委託している場合)タオルやシーツのクリーニング費用
・固定費・・・家賃、建物の費用、社員の人件費
といった感じで、圧倒的に固定費が変動費より大きくなっています。
もし仮にお客さんが入っていなくても固定費は発生することになりますので、値引きをしてでもお客さんを確保
しようという狙いです。
値引きをするとはいえ、売上が変動費を下回る金額まで値引きをしてしまうと、お客さんを泊めれば止めるほど
赤字になってしまうので、それはマズい状態です。

こんな感じでシンプルに話をしてみましたが、次回以降、もう少し条件を複雑にして考えてみたいと思います。

ご相談やご不明点は、大阪市都島区の税理士事務所BizBloom(ビズブルーム)経営会計事務所までご連絡お願いいたします。

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